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20090926
スマトラ島のクリプトコリネ・バンカエンシス
- 2009-09-26 (Sat)
- スマトラ旅日記 -Sumatra-

州都をパレンバンに持つ南スマトラ州の中央にあるスカメリンド川にはクリプトコリネ・バンカエンシスが群落を作っていた。この産地は種名登録されたバンカエンシスのサンプリングされた場所に近く、最もベーシックなバンカエンシスの形状なのだと考えられる。
蕾は他産地にない美しいヴァンディークグリーン(抹茶色)をしており、花はダークブラウンで緩いスパイラルが入った形状でとても上品である。

川は乾期で流れが止まっており、普段は川底である場所に展開していたクリプトコリネ・バンカエンシスの小群落。

これが日本初公開のスマトラ本島に生育するクリプトコリネ・バンカエンシスである。今までスマトラ本島のバンカエンシスが正式に紹介されたことはない。

通常の陽性植物と混生しているとまるで陸生植物のようである。

葉は卵型で縦長でありかなりの肉厚だ。

これが非常に珍しいヴァンディーク・グリーンの蕾である。私は今まで蕾がヴァンディーク、グリーンのバンカエンシスは見たことがない。

バンカエンシスの花。分かりやすいのでクマンの花と比較してみてほしい。この2パターンはたまたま色が違うだけで全く同じ形状を持った同種であると考えるか、私の説いた同種だが地域変種によるバリエーションなのかは人それぞれ意見があるだろう。
興味を持った方は是非現地で実物を自分の目で比較、観察することを強く進めたい。

同じく南スマトラ州ベリンギンの近くで発見されたクリプトコリネ・バンカエンシスだ。ここは水の無くなってしまった川に広がっていた群落が一斉に花を咲かせていた。

水上群落の一部である。凹凸感のある葉が美しい。

水上葉が乾燥適応し、葉は厚く凹凸感が強く変化する。


比較的シンメトリカルで黄金色の花を咲かせている。クリプトコリネ・バンカエンシスの花は黄金色〜茶色が至って標準的な形状で、日照条件や環境により同株でも花の色(主に濃さ)を変化させている。
スマトラ島再上陸
- 2009-09-26 (Sat)
- スマトラ旅日記 -Sumatra-

昨日バスに揺られながら携帯電話でバンダル・ランプン(スマトラ島、ランプン州の州都)→ジャカルタ間のフライトをすでに確保していた私は、航空券の関係で再びスマトラ南下の旅へ突入する事になった。
パレンバンからランプンまでバスで10時間くらい(ちなみにパレンバンとジャンビは車で5時間ほどしか離れておらず、近いです)なのだが折角なので車をチャーターしてクリプトコリネを探しながら南下することに決め、何処からともなくすでに地図を入手していた。(荷物はジャカルタに置いているため今回は何も持っていない)
車もハリラヤの名残でいつもの2倍近く(ハリラヤ期間中は相場の3倍になり、その価格でも運転手に相当渋られる)だが、今のタイミングだとチャーターできれば良いほうだ。値切ると運転手が高確率でドタキャンする・・・

今回パレンバン周辺の小道を中心に散策しながらバンダルランプンまで行くわけだが、ラフロードの小道を渋る運転手を横目に見ながら村道路をガンガン進むとクリプトコリネの川に出会った。
パレンバン以南のクリプトコリネは情報が無く、日本に紹介されるのは今回が初めてのことだと思う。

カルタムリア村の水場にはミズスマシが生息していたのが気になった私は、その川の上流へと歩いた。基本的にクリプトコリネは必ず共生関係をもった生物と一緒に生育しているケースが多いので、私はその生物達を参考にクリプトコリネを探している。
水が少なくなった川を歩いていると暗くなった場所の茂みに他の草と一緒にクリプトコリネが生育していた。

綺麗なダークカラーの固体だ

この場所のクリプトコリネの特徴は、草体が大きくディディリキーのようなコルダータグループに似ているが、葉にさやがある事や太く硬い年期の入った塊根を有している特徴を考えるとコルダータではない。葉の裏が赤く、凹凸感を出すような構造はバンカエンシスと一致するが、ブリトゥンやバンカ島の種類と比較すると大きさが明らかに異なる。
未知なる種類の花が咲くことに期待感はありますが、どちらにせよ肉厚のある凹凸感や葉の裏の鮮やかなチェリーレッドは美しく見ごたえがある。

クリプトコリネの水上群落。

花の残骸があった。残骸では正確な判断はできない。

次にご紹介するのはテルックナンガの近郊に広がる自然林の一角にある湧水だ。この場所は乾期で水の少なくなった場所にすさまじい密度で小魚が群れており、周辺の森一面にはクリプトコリネの群落、そしてホシクサの一種であるケヤリソウの群落まで見ることが出来てしまう素晴らしい場所だ。

この森は乾期で水位が下がっているが湿潤でクリプトコリネの生育に適している環境である。水上の群落も特に対乾形状ではなく葉は薄いものが多いのが印象的だった。

森一面に広がる群落の一部

水中の群落も美しい。

クリプトコリネの群落から白いポンポンが出ている。一般に知られているものより小さなケヤリソウの一種だ。

ケヤリソウの他にタヌキモの一種も見られる。

小型のケヤリソウの種類なのかもしれない。私の認識しているケヤリソウよりもかなり小さい。

結局花は確認することができなかったが、興味深い産地である。またそう遠くないうちに来ることもあるだろう。

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